矯正装置

<アクチバトール>

適応症

  1. 下顎後退を伴う上顎前突
  2. 機能性化学前突
  3. 過蓋咬合
  4. 交叉咬合
  5. 保隙
  6. 保定

その他

  1. アクチバトールは夜間睡眠中に最低10時間以上装着する。
  2. 誘導面
    1. 咬合挙上したい場合、誘導面は臼歯部に設ける。
    2. 下顎劣成長を伴う上顎前突の時、誘導面は上顎前歯舌側面に設ける。
    3. 機能性下顎前突の時、誘導面は下顎前歯舌側面に設ける。
  3. 誘導線
    1. 上顎唇側誘導線:下顎後退の治療に用いる
    2. 顎間誘導線:機能正反対咬合に用いる
    3. 下顎唇側誘導線:下顎前歯に加わる口唇圧を排除する

<その他機能的矯正装置>

  • バイオネーターは顎の成長促進作用がある。
  • フランケルの装置はレジンプレートにより歯列弓を側方拡大させる。

<拡大装置>

  • クワドへリックスは歯列の側方拡大をするが、歯槽基底弓は拡大しない。従って、正中口外縫合を離開させない。
  • 一方で、急速拡大装置と緩徐拡大装置は歯槽基底弓を拡大するため、離開が生じる。
  • クワドへリックスと緩徐拡大装置では、側方歯が傾斜移動する。
  • 急速拡大装置では、1回に0.2〜0.25mmほど拡大し、それを1日に2回行うので、1日に0.4〜0.5mm拡大することになり、最終的には2,3週間で10mm以上の拡大を目指す。
  • 緩徐拡大装置は数ヶ月以上の期間をかけて行う。

<その他の矯正装置>

リンガルアーチの補助弾線は、単式弾線、複式弾線、指様断線、連続弾線の4つ。
垂直ゴムはオーバーバイトが大きくなる。
顎間固定装置(ゴム)はマルチブラケット装置を併用するため、自ずと永久歯列期に適応が限定される。
咬合斜面板でFMAは大きくなる

矯正あるある

  • モンゴロイドはコーカソイドに比べ切歯がシャベル状である
  • 犬歯唇側低位はモンゴロイドの特徴
  • 狭窄した歯列弓はコーカソイドの特徴
  • 機能的反対咬合はモンゴロイドの特徴
  • 前後系が小さい頭蓋はモンゴロイドの特徴
  • 丸い主線を屈曲できるのはヤングのプライヤーと、ピーソーのプライヤー三嘴のプライヤーのみ。
  • 補助断線の屈曲は、ヤングジャラバックライトワイヤーバードビークのプライヤーの4つ。
  • 埋伏過剰歯は発見後、期に抜去することが望ましい。
  • 下顎骨が後方回転した場合のIMPAは変わらない。

砂糖、代替甘味料

<砂糖(ショ糖)>

  1. 食品に対する防腐性あり
  2. 生産効率の最もいエネルギー源
  3. 日本人の年間消費量は一人当たり20kg以下で、先進国の中では最も少ない。
  4. 食事中の甘味飲料中の砂糖は齲蝕との関連性が
  5. 糖質の中ではショ糖が一番齲蝕誘発率が

<代替甘味料>


甘味料
原材料
甘さ(対ショ糖100)
齲蝕原性
その他
注意点
糖質
二糖
パラチノース
ショ糖
40
なし
ショ糖の異性体
ーーーー
オリゴ糖
カップリングシュガー
デンプンとショ糖
60
低カロリー
ーーーー
フラクトオリゴ糖
ショ糖と果糖
50
ーーーー
ーーーー
イソマルトオリゴ糖
ブドウ糖
ーーーー
ーーーー
糖アルコール
ソルビトール
ブドウ糖
65
なし
ーーーー
大量摂取にて下痢
マンニトール
ショ糖やブドウ糖
70
ーーーー
キシリトール
キシロース
100
なし
インスリンを介さずに細胞に取り込まれ速やかに代謝されるので、糖尿病患者に有用
マルチトール
デンプン
なし
低カロリー
低カロリー性甘味料
芳香族系
サッカリン

500
なし
ーーーー
ーーーー
ペプチド系
アスパルテーム
アミノ酸
200
なし
ーーーー
フェニルケトン尿症患者には使用注意
配糖体
ステビア
植物
300
なし
ステビアレバウディアナっていう植物からとれる
ーーーー

プラーク

<プラークの組成>

  • 細菌:70%
  • 間質成分:30%
    • 不溶性グルカン
    • 唾液由来の糖タンパク質

<プラークの形成機序>

<プラーク内細菌>

ストレプトコッカス:プラーク内で初期から成熟期まで常に優位
ナイセリアノカルディア:好気性のため、徐々に減少して行く

酸素
グラム陽性
酸素
グラム陰性
球菌
通性嫌気性
ストレプトコッカス
スタフィロコッカス
好気性
ナイセリア
ノカルディア
偏性嫌気性
ペプトストレプトコッカス
偏性嫌気性
ベイヨネラ
桿菌
好気性または通性嫌気性
アクチノマイセス
コリネバクテリウム
ラクトバシラス
好気性または通性嫌気性
アクチノバチラス
カンピロバクター
エシェリキアコリ
偏性嫌気性
ユウバクテリウム
偏性嫌気性
フゾバクテリウム
プレボテラ
ポルフィロモナス
スピロヘータ

偏性嫌気性
トレポネーマ

学校保健

  • 保健管理学校保健法に基づき行われる。実施者は学校保健安全法にて学校医、学校歯科医、学校薬剤師と定められている。
    • 健康診断
    • 健康相談
    • 学校環境衛生
    • 伝染病予防
  • 保健教育学校教育法に基づき行われる。実施者は同法にて保健主事養護教諭と定められている。
    • 保健学習
    • 保健指導

学校歯科医の職務

  1. 学校保健安全計画の立案に参与
  2. 定期健康診断:6月30日までに学校長の責任で行う。検査の記録は5年間保存する。
  3. 予防処置と保健指導
  4. 歯科健康相談
  5. 就学時の歯科健康診:就学4ヶ月前までに市町村の教育委員会の責任で行う。
  6. 保健管理の専門的事項の指導

学校保健の注意点

  1. 学校歯科医は大学保育所以外ならどこの学校でも置く。
  2. 学校職員の歯科検診はやらないが、歯科保険の対象ではある。
  3. 学校歯科医は学校環境衛生の維持および改善に参加していない。
  4. 学校保健の対象者には教職員は含む
  5. 検診の結果は21日以内に保護者に通達する。
  6. 現在の12歳の齲蝕罹患率は50%以下だが、DMFT指数は1以上。WHOではDMFT指数1以下を目指している。

環境基準

<水>

下水処理

  1. 好気性処理
    1. 活性汚泥法:曝気槽にて行われ、二酸化窒素、硫酸塩、硝酸塩などが発生します。
    2. 濾床法:現在使われていない。時間がかかる。
  2. 嫌気性処理
    1. 腐敗槽を用いる。
    2. メタンや硫化水素が発生する。
    3. 現在行われていない。

水道法

  • F:0.8mg/l以下。成分は。。。
    • フッ化ナトリウム
    • ケイフッ化ナトリウム
  • 大腸菌群:検出されては行けない
  • ウイルス類:規定なし
  • その他の水質
    • 海や川、湖の水質:環境基本
    • 下水への排出基準:下水道
    • 事業排水の排水基準:水質汚濁防止
  • 水質汚濁の指標
    • BOD生物学的酸素要求量:汚いと
    • COD化学的酸素要求量:汚いと
    • TOD総酸素要求量:汚いと
    • SS浮遊物質:汚いと
    • DO溶存酸素量:汚いと

浄水処理

  • 上水道の普及率:97.5%
  • 沈殿、濾過、消毒の3ステップ
  • 方法
    • 急速濾過法:硫酸アルミニウムを加えて無理矢理沈殿させる
    • 緩徐濾過法:ゆっくり沈殿

<空気>

  • 一酸化炭素:建物内で10ppm以下
  • 二酸化炭素
    • 大気中:0.03%
    • 呼気中:4.5%
    • 室内許容濃度:0.1%
    • 中毒発現量:6%

温熱環境

  1. 基本項目
    1. 気温
    2. 湿度
      1. アウグスト乾湿温度計:気流の影響を受け易い
      2. アスマン通風乾湿温度計:こっちが優秀
    3. 気流
      1. カタ寒暖
      2. 風速
    4. 輻射熱
      1. 黒球温度
  2. 総合的温熱指数
    1. 不快指数:気温湿度
    2. 感覚温度:気温湿度気流
    3. 修正感覚(有効)温度:輻射熱湿度気流

齲蝕、歯周病の疫学、歯の寿命

<齲蝕の疫学>

  1. 齲蝕:男
  2. 根面齲蝕:男
  3. 歯周病:男
  4. 歯周病の好発部位は下顎前歯と上下顎臼歯部
  5. 歯周病の人種別感度に差は無い
  6. 歯を失う原因:齲蝕歯周病

<歯の寿命>

  • 最も寿命の長い歯牙:下顎犬歯(70年)
  • 最も寿命の短い歯牙:下顎第2大臼歯(50年)
  • 上顎で最も寿命のい歯牙は?:中切
  • 下顎で最も寿命の長い歯牙は?:
  • 対顎同名歯同士で下顎の方が寿命の短い歯牙は?:第1大臼歯、第2大臼歯のみ。あとは下顎の方がい。

<喪失歯数>

  • 40歳:2
  • 60歳:7
  • 70歳:15
  • 8020運動(80歳以上の20%の人が、20本以上の残存歯を有する)は達成。

母子保健

乳幼児の齲蝕予防


  1. 0〜6ヶ月:何もする必要は無い
  2. 6ヶ月〜1年:ガーゼで拭う。離乳を始める。
  3. 1〜1年6ヶ月:断乳させる
  4. 1年6ヶ月〜2歳:通常の歯ブラシにて毎日の口腔清掃を習慣化させる
  5. 2歳〜3歳:子ども自身に磨かせ、親は点検磨きを必ずする。

市町村がやる事

  1. 健康診査
    1. 妊婦:妊婦健康診査
    2. 乳幼児:先天性代謝異常の検査
    3. 乳幼児健康診査
    4. 1歳6ヶ月時健康診査
    5. 3歳児健康診査
  2. 保健指導
  3. 新生児、妊産婦の訪問指導
  4. 母子健康手帳の交付
  5. 母子健康センターの設置

都道府県がやる事

  1. 未熟児の訪問指導
  2. 養育医療:体重が2000g以下。 ※2500g未満で低体重出生児。都道府県に届け出る。

虐待の対応。届け出先は

  1. 都道府県の福祉事務所
  2. 児童相談所
  3. 市町村の児童福祉担当科

国民医療費


  • 国民医療費に含まれるもの
    • 診療費
    • 調剤費
    • 入院時食事・生活医療費
    • 訪問看護医療費
    • 健康保険等で支給される移送費
  • 国民医療費に含まれないもの
    • 正常分娩
    • 歯科材料差額
    • 人間ドッグ
    • 介護保険法における施設サービス
    • 買薬の費用
    • 予防接種

<医療関係社の人数>

  • 医師:30
  • 薬剤師:30
  • 看護師・準看護師:125
  • 保健師:4
  • 助産師:
  • 歯科医師:10
  • 歯科衛生士:10
  • 歯科技工士:4

統計調査

  • 基幹統計調査
    1. 国勢調査:5年ごと。静態統計に分類される。
    2. 人口動態統計調査:速報は毎月、月報は毎月と毎年、年報は毎年
    3. 人口静態統計調査
    4. 患者調査:3年ごと
    5. 医療施設調査:動態は毎、静態は3年ごと
    6. 学校保健統計調査:
    7. 国民生活基礎調査
  • 一般統計調査
    1. 国民健康・栄養調査:
    2. 歯科疾患実態調査:6年
    3. 伝染病統計
    4. 医療扶助実態調査

人口動態統計調査

全人口の出生死亡婚姻離婚死産の5つをみる。
出生
  1. 出生数:100万
  2. 出生率(対1000人):8.7
  3. 合計特殊出生率:1.4
  4. 総再生産率(女児のみ):0.6
  5. 純再生産率(死亡率考慮):0.6
死亡

  • 死亡率ランク『あっしのハイジ
    1. 悪性新生物
    2. 心疾患
    3. 脳血管疾患
    4. 肺炎
    5. 事故(窒息が多い)
  • 悪性新生物部位別ランク『だいたい順序が逆』
    • 男性『男は偉大
      • 大腸
      • 肝臓
    • 女性
      • 大腸
      • 乳房
    • 増加傾向
      • 大腸
    • 減少傾向
      • 子宮

人口静態統計調査

  • 割合:分母が総人口
    • 年少人口割合:13%
    • 生産年齢人口割合:65%
    • 老年人口割合:22%→超高齢社会
  • 指数:分母が生産年齢人口
    • 年少人口指数
    • 老年人口指数
    • 従属人口指数
  • 老年化指数:老年人口/年少人口x100

歯科疾患実態調査

  • 対象:国民生活基礎調査の単位区から層化無作為抽出した299世帯の満歳以上の人
  • 調査時期:国民健康・栄養調査と合わせて行うので、6年ごと
  • 調査項目:
    1. 現在師の状況
    2. 喪失歯と補綴状況
    3. 歯肉
    4. 歯列咬合
    5. 歯ブラシの使用状況
    6. フッ化物の塗布状況

保健事業

  • 健康手帳の交付:健康増進法
  • 健康教育
    • (40〜65歳):健康増進法
    • (65〜歳):介護保険法
  • 健康相談
    • (40〜65歳):健康増進法
    • (65〜歳):介護保険法
  • 健康診査
    • 基本健康診査
      • 特定健康診査:高齢者医療法
      • 特定健康指導:高齢者医療法
      • 生活機能評価(65歳以上):介護保険法
    • 歯周疾患検診(40,50,60,70歳):健康増進法
    • 骨粗鬆症検診(40,45,50,55,60,65,70歳):健康増進法
    • 肝炎ウイルス検診(40,45,50,55,60,65,70歳):健康増進法
    • 健康度評価
      • (40〜65歳):健康増進法
      • (65〜歳):介護保険法
    • 受診指導
  • 機能訓練
    • (40〜65歳):健康増進法
    • (65〜歳):介護保険法
  • 訪問指導
    • (40〜65歳):健康増進法
    • (65〜歳):介護保険法

健康日本21と国際保健。健康フロンティア戦略

<健康日本21>

目標期間は2010年から2012年へ延長された

主項目

  1. 食事
  2. 運動
  3. タバコ
  4. アルコール
  5. がん
  6. 心疾患
  7. 糖尿病
  8. 歯科
    1. 幼児:齲蝕の防止
    2. 学齢:齲蝕の防止
    3. 成人:歯周病の防止
    4. 老人:歯の喪失の防止

歯科の分野

  1. 幼児:齲蝕の防止
    1. 3歳時で齲蝕の無い人80%以上
    2. 3歳までにF塗布経験50%以上
  2. 学齢:齲蝕の防止
    1. 12歳DMFT指数1以下
    2. F入り歯磨材利用者90%以上
    3. 1年以内に清掃指導を受けた者30%以上
  3. 成人:歯周病の予防
    1. 40,50歳で4mm以上のポケット3割以上の減少
    2. 40,50歳で歯間部清掃器具使用者50%以上
  4. 老人:歯の喪失の防止 2005年で全部達成!!
    1. 802020%以上→25%
    2. 602450%以上→60%
    3. 定期的に歯科検診を受けている人30%以上→43%
    4. 定期的に歯石除去、歯面清掃を受けている人30%以上→35%

<WHO歯科保健目標>

  1. 目標:2025
  2. 5歳時の齲蝕のない子ども:90%以上
  3. 12歳DMFT指数:1歯以下
  4. 20歳で未処置の齲蝕(D):なし
  5. 全人口で重篤な歯周病にならない人:90%以上
  6. 全人口で口腔疾患の病因、予防法について十分な知識を持ち、自己診断、セルフケアを行える人:75%以上

<新健康フロンティア戦略>

  • 歯科で目立った所は、8020が2005年時点で25%だったから、2010年には30%にしようというもの。
  • 実施期間:2007年〜2016年までの10年間
    1. 子どもの健康
    2. 女性の健康
    3. メタボ
    4. がん
    5. 精神
    6. 介護予防
    7. 歯の健康
    8. 食育
    9. スポーツ

被爆線量計

個人被爆線量計

  1. フィルムバッジ電離黒化度、定期的に測定
  2. ポケット線量計電離作用、随時測定
  3. ガラス蛍光線量計蛍光作用
  4. 熱蛍光線量計蛍光作用

環境被爆線量計

  1. ガイガーミュラー計数管:電離作用
  2. シンチレーション計数器:蛍光作用

フィルムの現像

  • 順番は現像定着水洗乾燥
  • 現像
    • 白からい所を作る作業
    • エックス線の当たったハロゲン化銀を還元してとする。
    • 20℃で5分間が基本
    • 自動現像機:26〜28
    • 現像液はアルカリ
    • 温度がいと黒化度(かぶり)が増す
    • 時間がいと黒化度(かぶり)が増す
    • 濃度がいと黒化度(かぶり)が増す
    • 自動現像機だと温度が高いので液の疲労が早い
  • 中間停止液
    • 中間停止液は弱酸性。現像液を中和する。
  • 定着
    • 白から透明な所を作る作業
    • エックス線に当たっていないハロゲン化銀を溶かす過程。
    • 成分はチオ硫酸ナトリウム性。
    • この処理時間は乳化層が厚いと長くなる。
    • スクリーンタイプとノンスクリーンタイプでは乳化層はノンスクリーンタイプの方が厚いため、定着に時間を要する。
    • 時間がいと黒化度が低下する
    • 時間がいと抜けが悪く、白っぽくなる。
    • 温度がいと黒化度が低下する
    • 濃度が濃くても変化しない
  • 水洗
    • 水洗不足は黄変の原因となる
  • 乾燥
    • 乾燥が不十分だとムラが出来て縞模様になる
工程
現像
中間停止
定着
水洗
水滴防止
乾燥
過剰
黒くなる
不変
黒化度低下
膜はがれ
不変
不足
黒化度不足
定着液の疲労
ヌケが悪い
後の横変
ちりめんじわ

散乱線


管電圧↑
管電流↑
照射野大
厚さ↑
濾過大
散乱線の量
X
散乱線の割合
X

放射線物理学

<線量の単位>

  1. 照射線量(C/kg) 空気がどれだけ電離したか
  2. 吸収線量(Gy 、J/kg)  物質がどれだけ吸収したか
  3. 等価線量(Sv 、J/kg)=吸収線量x放射線荷重係数(放射線の違い)
  4. 実効線量(Sv 、J/kg)=等価線量x組織荷重係数(臓器の違い)
  5. 放射能(Bq)=放射性同位元素が1秒間に崩壊する数
  6. LET(線エネルギー付与)『単位長さ当たりに放出するエネルギー量』
  7. RBE(生物学的効果比)『その放射線はX線の何倍パワーが強いか』
  8. 組織への効果がでかい=LETが大きい=RBEが大き

<線量>

ターゲットから放出される線量

E=kZIV2
  • E:エネルギー量 
  • k:比例定数 
  • Z:ターゲットの原子番号 
  • I:管電流 
  • V:管電圧

距離による減弱

I=Io 1/d2
  • I:出力線量 
  • Io:入力線量 
  • d:距離

物質の吸収による減弱

I=Io e-μd
μ=kZ3ρλ3
  • μ:線吸収係数
  • d:物質の厚さ
  • Z:物質の原子番号
  • ρ:物質の密度
  • λ:波長

<線質>

Duane-Huntの式 波長が短いと線質は硬い
λmin=12.4/Vmax
  • λmin:最短波長
  • Vmax:最大管電圧

小児の発育

1 生理的年齢

生理的年齢には
  1. 年齢手根骨などの化骨状態で発育状態を見る
  2. 歯の萌出年齢と言えばHellmanの分類石灰化年齢と言えばNolla,Moorreesらの分類がある。
  3. 形態年齢身長体重などで発育状態を見る
  4. 第二次性徴年齢初潮乳房声変わりなどで見る
  5. 精神年齢知能指数(IQ)などで見る
などがある。

2 身体発育の特徴

2-1 出生前

胎生 体重(g) 体長(cm)
8週 4 2.5
12週 30 7〜9
28週 1000 35

2-2 体重

2-2-1 出生時体重(2005)

  • 男児:3.05kg
  • 女児:2.96kg
共に2.5kg未満の時、低出生体重児という

2-2-2 体重の増加

年齢 出生時 3ヶ月 1歳 2歳6ヶ月 4歳 6歳 10歳
体重比 1 2 3 4 5 6 12

2-2-3 生理的体重減少

生後3〜5日の間、一時的に体重が減少して、その後再び増加を始める。減少量は出生体重の5〜8%(約150〜200g)である。生後7〜10日で出生体重まで回復する。
原因としては以下のものが考えられる。
  1. 生後1〜2日間は哺乳量が少ない
  2. 肺、体表面からの水分蒸発(減少した体重の約70%)
  3. 尿、胎便排泄(10〜20%)
  4. 身体脂肪消費(10〜15%)
生後15日たっても回復しないときは異常。

2-3 身長

2-3-1 出生時身長

50cm

2-3-2 身長の増加

年齢 出生時 1歳 4歳 12歳
身長比 1 1.5 2 3

2-4 頭蓋

2-4-1 頭囲

出生時 33〜34cm 胸囲より1cm大きい
6ヶ月 42〜44cm
1歳 45〜46cm
発育障害を主訴とする患者では特に重要で、水頭症小頭症くる病などの診断上重要資料となる。

2-4-2 身長と頭長の割合

年齢 新生児 2〜4歳 4〜7歳 11〜15歳 15〜25歳
身長:頭長 4:1 5:1 6:1 7:1 7〜8:1

2-5 器官 Scammonの臓器発育曲線

Scammonが提唱した、20歳時を100%とした、リンパ型神経型一般型生殖器型ごとの臓器発育曲線

    2-6 発育指数

      1. Apger指数:新生児仮死呼吸循環状態を評価する方法。10点満点で、いスコアーほど健全。
    1. Kaup指数乳(幼)体型的判断からその栄養状態、発育状態を評価する方法。
      Kaup指数=10 x 体重(g)/身長(cm)*2
    2. Rohrer指数学童以降、成人発育評価に用いる。
      Rohrer指数=1000 x 体重(g)/身長(cm)*3

    3 機能発育の特徴

    3-1 呼吸

    出産直後の鳴き声を産声といい、呼吸が開始される。新生児の呼吸は腹式呼吸であり、かつ呼吸で、呼吸はできない。

    3-2 言語・発声

    出生直後は産声であるが、生後3〜4ヶ月で意味の無い発声をする。これを喃語という。
    言語の発達は以下に分類される。
    1 準備期 〜1歳 喃語や模倣
    2 第1期 1歳〜1歳6ヶ月 1語文の時期
    3 第2期 1歳6ヶ月〜2歳 2語文命名期
    4 第3期 2歳〜2歳6ヶ月 時称の使い分け
    5 第4期 2歳6ヶ月〜 主文と従属分

    3-3 運動 7段階

    時期 3ヶ月 7ヶ月 10ヶ月 9〜14ヶ月 14〜15ヶ月 2歳 5歳
    運動 首が据わる 座る 這う つかまり立ち 独り歩き 歩行熟練 基本的運動熟練

    3-4 情動

    5歳くらいまでに情動の分化は成人のそれと同様となる。
    恐怖や不安は6ヶ月頃に現れ、1〜2歳までは物理的な刺激や身辺の具体的な刺激に対するものであり、2〜3歳までは視覚的、感覚的なものであり、具体的、直接的なものである。この種の恐怖は4歳頃にはく、5歳では少なくなる傾向にある。

    1. 新生児:興奮
    2. 3ヶ月:不快が分化
    3. 6ヶ月:不快から、怒り嫌忌恐れが分化
    4. 1歳:から、愛情得意が分化
    5. どんどん分かれていって、5歳で完成

    小児の情動の特徴には以下のものがある。
    1. 情緒の持続時間が短い
    2. 強烈で爆発的である
    3. 一過性である
    4. 情緒の現れる頻度が高い

    3-4-1 泣き

    小児の泣きの種類には以下のものがある。
    1. 強情泣き
    2. おびえ泣き
    3. 痛がり泣き
    4. 補償泣き

    3-4-2 かんしゃく

    かんしゃくは2歳頃から現れ始め、3〜4歳で最もく、9歳頃まで続くが、その後は少なくなる。12〜13歳以降はほとんど現れなくなる。

    4 小児の生理的特徴

    4-1 原始反射(新生児反射)

    原始反射は臨床的に下記の診断に用いられる
    1. 新生児の成熟度の判定
    2. 脳障害の有無の判定
    3. 末梢神経障害の診断
    1. 原始反射 基本的に生後3ヶ月で消失
      1. Moro反射
      2. 匍匐反射
      3. 起立反射
      4. 把握反射
      5. Babinski反射 1年ほどは伸展で、後に屈曲
      6. ほ乳に関わるもの
        1. 追いかけ反射刺激のある頰側へ顔を向ける反射
        2. 捕捉反射 生後ヶ月で消失する:口唇と舌で乳首を捉える反射
        3. 吸綴反射 生後ヶ月で消失する:乳首を吸う反射
        4. 舌突出反射 生後ヶ月、離乳時期で消失する:乳首や指のような突起物以外の固形物が口の中に入ると、舌で排除しようとする反射。
    2. 後天的
      1. 飛び込み反射
      2. ほ乳に関わるもの
        1. 嚥下反射乳汁を食道の方へ送る反射
    卒乳:歯科では6ヶ月1年を推奨。小児科では1年1年6ヶ月2歳

    4-2 生理的特徴

    4-2-1 体温

    成人に比べ
    1日の高低差は0.6〜0.8
    容易に周囲に影響される。理由としては、以下がある。
    1. 体温中枢の機能不全
    2. 汗腺発育不十分
    3. 体表面積が大きい

    4-2-2 呼吸

    乳児は腹式呼吸であるが、10歳頃には成人と同じ胸式呼吸となる

    4-2-3 脈拍と血圧

    乳児の脈拍は1分間に120回あり、成人は70回ぐらいである。
    血圧は年少児ほどく、年齢と伴に増加する。

    4-2-4 睡眠

    小児の方が

    4-2-5 血液

    血色素量赤血球数は成人に比べ少ない。
    新生児期から4,5歳頃にかけて、リンパ球好中球よりもい。
    小児の全血量は成人に比べ多く、体重の1/13〜1/14を占めるが、成人では1/15である。

    5 母乳栄養の利点

    1. 栄養効率が良く、代謝負担が少ない
    2. 低罹患率、低死亡率
    3. 腸管局所の受動免疫を与える
    4. 抗原性が無い
    5. 心理的安定

    6 顎骨、歯列の発育

    6-1 脳頭蓋と顔面頭蓋

    6-3-1 脳頭蓋の容積

    1. 新生児24%
    2. 6歳児92%
    3. 12歳児97%

    6-3-2 脳頭蓋と顔面頭蓋の容積比

    新生児 8:1
    2歳児 6:1
    6歳児 5:1
    成人 2:1

    6-3-3 顔面部の成長の割合

    以下の順で成長する。
    幅:56%高さ:38%深さ:41%

    6-3-4 泉門

    1 小泉門 矢状縫合

    ラムダ縫合
    2〜3ヶ月
    2 前側頭泉門 鱗状縫合

    冠状縫合
    6ヶ月〜1年
    3 後側頭泉門 鱗状縫合

    ラムダ縫合
    1年〜1年6ヶ月
    4 大泉門 前頭縫合

    冠状縫合

    矢状縫合
    1年6ヶ月

    6-3-5 泉門の閉鎖の異常

    大泉門の早期閉鎖
    1. 小頭症
    2. 狭頭症(Apert症候群、Crouzon症候群)
    泉門の閉鎖遅延
    1. 化骨障害
    2. 水頭症

    6-3-6 頭蓋底の軟骨結合部での化骨時期

    1 蝶形骨間軟骨結合 出生時
    2 蝶篩骨軟骨結合 7歳
    3 蝶後頭軟骨結合 18〜20歳

    6-2 上顎骨の成長

    1 上顎骨体 外側表面骨添加

    内側表面骨吸収
    三次元的拡大
    2 前頭上顎縫合

    頬骨上顎縫合

    側頭頬骨縫合

    翼突口蓋縫合
    縫合部の骨新生 前下方への移動
    3 正中口蓋縫合 縫合部の骨新生 側方への拡大
    4 上顎結節後縁 骨添加 後外側への拡大
    5 歯槽突起部 歯槽骨添加 高さの増加

    6-3 下顎骨の成長

    1 下顎骨体 外側表面添加

    舌側部の骨吸収

    正中縫合部の膜内性化骨
    三次元的拡大
    2 下顎枝 後縁:骨添加

    前縁:骨吸収
    後方への拡大
    3 関節突起部(下顎頭) 軟骨性骨添加 前下方への移動
    4 歯槽突起部 歯槽骨添加 高さの増加

    6-4 生理的歯間空隙

    生理的歯間空隙には霊長空隙発育空隙がある
    1. 霊長空隙:上顎のBC間と下顎のCD間にできる空隙で、この空隙には対合するCが咬合する。
    2. 発育空隙:乳歯列弓全般に見られる霊長空隙以外の生理的歯間空隙をいう。

    6-5 ターミナルプレーン

    第2乳臼歯遠心面の前後的関係で判断する。
    1. 垂直型:最もく、全体の78%を占める。
    2. 近心階段型:顎の遠心面が心にある。
    3. 遠心階段型:顎の遠心面が心にある。

    6-6 乳歯歯列の形態

    上顎:半円型
    下顎:半円型または半楕円型

    6-7 リーウェイスペース

    側方歯列の近遠心的幅径の和のこと。乳臼歯列の方が大き
    上顎で:1mm
    下顎で:3mm

    6-6 切歯の交換が性状に行われる為に必要な歯・歯列・顎の成長発育について述べよ

    1. 正常な乳歯根の吸収
    2. 高径永久歯胚の位置異常が無いこと
    3. 1本の永久歯が萌出する為に、2本の乳歯が脱落しないこと
    4. 上下顎共に、中切歯が側切歯より早く萌出すること
    5. 上下顎の同名歯の萌出に極端に差異がないこと
    6. 歯数の異常がないこと
    7. 顎の成長が十分であること
    8. ほぼ左右対称に交換すること

    7 発育異常

    7-1 着色歯における内因性の原因

    1. 重症新生児黄疸や先天性胆道閉鎖症による血中ビリルビンの増加:ビリルリンの酸化物である緑色のビリベルジンの色素が歯質に着色する。酸化の程度により青、紫、黄色を呈する。
    2. ビタミンK欠乏による新生児メレナや血液不適合の既往のある患児:緑がかったものから黄色まであるが、一般的に青色を呈する。
    3. ポルフィリン症:ポルフィリンの沈着によってピンク色、または赤、暗褐色を示す。
    4. テトラサイクリン系抗菌薬を妊婦や小児が長期間服用した場合:蛍光を伴う黄色から灰褐色を呈する。
    5. 外傷により歯髄内出血から象牙細管内に血色素が侵入した場合:ピンク、赤色から、歯髄壊死によって灰褐色を呈する。
    6. 基質形成や石灰化の異常、歯の形成異常:淡黄色から褐色まで様々な色

    7-2 歯冠の形態異常

    1. 巨大歯:歯冠の大きさが異常に大きいもの。
    2. 矮小歯:歯冠の大きさが異常に小さいもの。特に切縁部で萎縮が大きいものを、円錐歯、栓状歯とも言う。
    3. 癒合歯:複数の歯が象牙質やエナメル質により癒合したもの。歯髄腔は連合している事が多い。
    4. 癒着歯:複数の歯がセメント質で癒着しているもの。歯髄腔は連合していない。
    5. 双生歯:1つの歯胚が分裂し、複数の歯となるもの。
    6. 陥入歯(歯内歯):歯間部の象牙質とエナメル質が歯髄腔内に深く陥入しているもの
    7. ハッチンソン歯:先天性梅毒に見られるもの
    8. 異常結節・隆起:中心結節やカラベリー結節など、歯冠にある異常な結節や隆起

    8 小児の臨床における対応

    8-1 行動変容による対応法

    1. 系統的脱感作法:慣れによるリラックス
    2. オペラント条件付け法:アメとムチによる制御
    3. トークンエコノミー法:ご褒美をあげる
    4. レスポンスコスト法:ご褒美を取り上げる
    5. モデリング法:他の小児を並べ、真似させる。

    8-2 笑気吸入鎮静法

    8-2-1 笑気吸入鎮静法の利点

    1. 歯科処置に対する不安感、恐怖感、緊張感を取り除く
    2. 疼痛閾値を上昇させる
    3. 唾液腺の分泌を抑制する
    4. 嘔吐反射を抑制する
    5. 治療に対するストレスを減少する
    6. 局所麻酔の中毒を防ぐ

    8-2-2 笑気吸入鎮静法の欠点

    1. マスクが治療の障害になる
    2. 完全な無痛状態を得る事ができない
    3. 鼻呼吸のできない患者には使えない
    4. 治療に全く協力できない心身障害児、不協力時、乳児では効果が上げられない

    9 小児の齲蝕と予防

    9-1 乳歯齲蝕の一般的特徴

    1. 罹患性が
    2. 進行が非常に
    3. 環境要因の影響を受けやすい
    4. 齲蝕発症に独特の年齢的変動がある

    9-2 幼弱永久歯が齲蝕に罹患しやすい理由

    1. 歯質が未成熟
    2. 裂溝の石灰化が不十分
    3. 裂溝が深い
    4. 裂溝が複雑
    5. 対合歯と咬合していない時期が長いことから自浄作用が悪い