放射線防護

<確率的影響、確定的影響>

  1. 確率的影響:癌、白血病、遺伝的障害、寿命の短縮
  2. 確定的影響:後全部。
    1. 早期障害:白血球減少、味覚障害、唾液分泌障害、口内炎
    2. 晩期障害:骨髄炎、口腔乾燥、粘膜潰瘍、多発晴雨食、味覚障害?、骨壊死、白内障、口内炎、脱毛

<急性放射線障害>

比較的高線量の電離放射線を全身被爆した場合に起こる急性症状。
  • 脱毛:3〜5Gy:照射後2週間
  • 発熱:5Gy以上:照射後1週間〜2ヶ月以内
  • 下痢:5Gy:照射後1週間以内
  • 嘔吐:10Gy:照射後1週間以内
  • けいれん:15Gy以上:照射後30分以内
  • 死亡する場合
    • 4Gy:骨髄死:50%が30日以内に死亡する。
    • 10Gy:胃腸死:100%が10日〜2週間で死亡する。
    • 100Gy:中枢神経死:100%が48時間以内に死亡する。
    • 1000Gy:分子死:分子レベルの破壊が起こる。

<放射線感受性>

リンパ骨髄卵巣精巣粘膜皮膚唾液腺筋肉血管神経

<放射線防護の基本原則>

  • 行為の正当化:利益がリスクを上回る
  • 防護の最適化:出来るだけ被爆を抑える
  • 線量限度:被爆線量に上限を設ける

<放射線の人体に対する影響を修飾する因子>

  1. 放射線の種類
  2. 被爆した細胞や組織の種類、細胞周期
  3. 酸素分圧
  4. 線量率

<被爆量>

  1. 個人が1年間で自然被爆する世界平均線量は実効線量で2.4mSv/年
  2. 医療による実効線量(医療被爆)は0.4mSv/年
    1. 舌ガン :50Gy 
    2. 全身CT :8.8mSv
    3. 胸部 :0.14mSv
    4. 歯科用コンビームCT :0.05~0.5mSv
    5. 単純撮影 頭部 :0.07mSv
    6. 口内法 :0.013mSv
    7. パノラマ :0.012mSv
2011/7/23 福島県飯館村で10μSv/時 → 0.24mSv/日 → 87.6mSv/年

<線量限度>

  1. 職業被爆:20mSv/年
  2. 公衆被爆
    1. 実効線量限度:1mSv/年(ただしラドン吸入を考慮しない)
    2. 等価線量限度
      1. 水晶体:15mSv/年
      2. 皮膚その他:50mSv/年
  3. 医療被爆:線量限度無し

<医療法施行規則>

  • 部屋
    • エックス線室からの漏れ:1mSv/週
    • 管理区域からの漏れ:1.3mSv/3ヶ月
    • 居住区への漏れ:250μSv/3ヶ月
  • 診療従事者の実効線量限度(確率的影響の防止)
    • 基本的にこれ:100mSv/5年 かつ 50mSv/1年
    • 妊娠しない宣言した以外の女性:5mSv/3ヶ月
    • 妊娠が分かってから生まれるまで:1mSv
  • 診療従事者の等価線量限度(確定的影響の防止)
    • 水晶体:150mSv/年
    • 皮膚その他:500mSv/年
    • 妊娠中の女子の腹部:2mSv/妊娠中