呼吸器疾患

<スパイロメトリー>

換気障害は以下の二つに分類される
  1. 閉塞性換気障害
  2. 拘束性換気障害

<閉塞性換気障害>

気道の閉鎖による障害のことである。

疾患

  1. 気道閉塞
  2. 気管支ぜんそく
  3. 気管支炎
  4. 肺気腫

診断

1秒率70%以下
※1秒率=1秒量(最大吸気位から呼出した最初1秒間の量)/肺活量

慢性閉鎖性肺疾患COPD

  • 主に喫煙が原因。
  • 3ヶ月続く咳や痰が、2年以上繰り返される場合。
  • 肺気腫と慢性気管支炎を単独あるいは総称して呼ぶ。

<拘束性換気障害>

肺の拡張の障害

疾患

  1. 肺結核
  2. 肺水腫
  3. 肺炎
  4. 腫瘍
  5. 肺線維腫症
  6. 肺葉切除

診断

%肺活量(標準的な肺活量と比較した患者の肺活量)=80%以下

<気管支ぜんそく>

対処薬の優先順位

  1. 気管支拡張薬:アミノフィリン静注
  2. β刺激薬:イソプレナリン点滴静注、β2刺激薬:サルブタモール吸入
  3. 副腎皮質ステロイド点的静注
  4. アレルギー関連なら抗ヒスタミン薬静注
  5. どうしても収まらなければエピネフリン静注(最後の手段)

注意点

  1. 起座呼吸がみられるので、座位の方が楽である。左心不全でもみられる。
  2. 最終発作から2週間は手術禁忌
  3. 気管支収縮作用の有る薬物の使用回避
    1. β遮断薬
    2. d-ツボクラリン:ヒスタミン遊離作用による。ベクロニウムならヒスタミン遊離作用を持たないから良い
    3. モルヒネ:呼吸抑制が強く、ヒスタミン遊離作用もあるため。その他オピオイドも呼吸抑制作用が有るので使用注意。
    4. バルビツレート(チオペンタール、チアミラール):呼吸抑制が強く、また交感神経抑制作用も強いため。
    5. NSAIDs:LT遊離促進による。塩基性の消炎鎮痛薬を用いる。
  4. 笑気吸入鎮静法は避ける:気道を乾燥させるため
  5. NLA原法は避ける:フェンタニルの急速投与に気管支収縮作用が有るため
  6. 全身麻酔時は揮発性吸入麻酔薬が適している。特にセボフルランは気管支拡張作用に加え、気道刺激性が少ないので最適。