<スパイロメトリー>
換気障害は以下の二つに分類される- 閉塞性換気障害
- 拘束性換気障害
<閉塞性換気障害>
気道の閉鎖による障害のことである。疾患
- 気道閉塞
- 気管支ぜんそく
- 気管支炎
- 肺気腫
診断
1秒率=70%以下※1秒率=1秒量(最大吸気位から呼出した最初1秒間の量)/肺活量
慢性閉鎖性肺疾患COPD
- 主に喫煙が原因。
- 3ヶ月続く咳や痰が、2年以上繰り返される場合。
- 肺気腫と慢性気管支炎を単独あるいは総称して呼ぶ。
<拘束性換気障害>
肺の拡張の障害疾患
- 肺結核
- 肺水腫
- 肺炎
- 腫瘍
- 肺線維腫症
- 肺葉切除
診断
%肺活量(標準的な肺活量と比較した患者の肺活量)=80%以下<気管支ぜんそく>
対処薬の優先順位
- 気管支拡張薬:アミノフィリン静注
- β刺激薬:イソプレナリン点滴静注、β2刺激薬:サルブタモール吸入
- 副腎皮質ステロイド点的静注
- アレルギー関連なら抗ヒスタミン薬静注
- どうしても収まらなければエピネフリン静注(最後の手段)
注意点
- 起座呼吸がみられるので、座位の方が楽である。左心不全でもみられる。
- 最終発作から2週間は手術禁忌
- 気管支収縮作用の有る薬物の使用回避
- β遮断薬
- d-ツボクラリン:ヒスタミン遊離作用による。ベクロニウムならヒスタミン遊離作用を持たないから良い
- モルヒネ:呼吸抑制が強く、ヒスタミン遊離作用もあるため。その他オピオイドも呼吸抑制作用が有るので使用注意。
- バルビツレート(チオペンタール、チアミラール):呼吸抑制が強く、また交感神経抑制作用も強いため。
- NSAIDs:LT遊離促進による。塩基性の消炎鎮痛薬を用いる。
- 笑気吸入鎮静法は避ける:気道を乾燥させるため
- NLA原法は避ける:フェンタニルの急速投与に気管支収縮作用が有るため
- 全身麻酔時は揮発性吸入麻酔薬が適している。特にセボフルランは気管支拡張作用に加え、気道刺激性が少ないので最適。