NCP非コラーゲン性タンパク質

<NCP非コラーゲン性タンパク質>

硬組織の有機質成分の90%は1型コラーゲンで、残りの10%がコラーゲン以外の有機質。つまりNCP。

<NCPのCa結合法>

多くのNCPはCaとの結合、つまり石灰化の側面から見ると、その命名法や分類が理解し易い。
Caとの結合方法
象牙質特有
硬組織特有
軟組織にもある
Glaタンパク質
Glaタンパク質(オステオカルシン)
マトリックスGlaタンパク質
酸性糖タンパク質
象牙質リンタンパク質(DPPホスホホリン)
骨シアロタンパク質(BSP
象牙質マトリックスタンパク質(DMP1
BAG-75
オステオネクチン
オステオポンチン

Glaのできるまで

Gluグルタミン酸残基からGlaが出来る。その行程で以下が必要となる。GlaはCaとキレート結合する。
  1. ビタミンK依存性カルボキシラーゼ
  2. CO2
  3. O2
  4. VK

<象牙質特有のNCP>

前駆体の象牙質シアロリンタンパク質(DSPP)から以下の二つに分裂する。
  1. 象牙質リンタンパク質(DPPホスホホリン)
    1. 石灰化した象牙質に多い。
    2. アスパラギン酸残基とリン酸化セリン残基を主とする。
    3. RGD配列を持つ。
  2. 象牙質シアロタンパク質(DSP)
    1. 象牙前質に多い。
    2. コンドロイチン6-硫酸を含むプロテオグリカンである。
    3. シアル酸を持つ。

<RGD配列を持つもの>

RGD配列:ArgアルギニンGlyグリシンAspアスパラギン配列で、細胞表面のインテグリンに結合する。
  1. 骨シアロタンパク質(BSP) 
  2. 象牙質マトリックスタンパク質(DMP1) 
  3. オステオポンチン 
  4. トロンボスポンジン:骨形成初期に出現。 
  5. フィブロネクチン:骨芽細胞に発現 
  6. ビトロネクチン:神経の成長に関与 
  7. ラミニン:基底膜に出現。

<シアル酸を持つもの>

ノイラミン酸アシル基がついたもの。分子間の相互作用に関わる。
  1. 象牙質シアロタンパク質(DSP) 
  2. 骨シアロタンパク質(BSP) 
  3. オステオポンチン

<遺伝子発現に活性型VDが必要なもの>

  1. 骨Glaタンパク質(オステオカルシン) 
  2. マトリックスGlaタンパク質 
  3. オステオポンチン

<エナメルタンパク質>

  1. エナメリン
    1. 成熟エナメル質に最も多い。
    2. グルタミン酸セリンアスパラギン酸が多く、酸性タンパク質となり、Caと結合し易くなっている。
  2. アメロゲニン
    1. 幼弱エナメル質の最も多い。
    2. 1/4がプロリン(イミノ酸)の疎水性タンパク質
    3. これを分断するのがエナメライシン
  3. アメロブラスチン
  4. タフテリン