発生

<顔面の発生過程>

  1. 前着床期:1週目
    1. 0日:受精
      1. 受精卵→桑実胚→胚盤胞(胞胚)
    2. 7日:着床
  2. 胎芽期(胚子期):2〜8週目(2ヶ月)
    1. 2週目
      1. 内細胞塊を形成
        →子宮粘膜内に陥没し、胚盤胞(胞胚)の中で子宮粘膜側に細胞が集合する(内細胞塊
      2. 2層性胚盤を形成
        →内細胞塊は2層に並び、子宮粘膜側の羊膜腔に面した細胞は胚葉となり、反対の胚盤胞腔に面した細胞は胚葉となる。この構造を2層性胚盤という。
    1. 3週目:
      1. 3層性胚盤の形成
        →外胚葉と内胚葉から一部胚葉の細胞に分化し、3層性胚盤を形成する。
      2. 脊索、体節の形成
        →中胚葉から脊索体節が形成される。
        1. 脊索:退化。脊柱となる
        2. 体節:全身の筋肉や骨
      3. 神経管、神経堤の形成
        →外胚葉の尾側の中央肥厚部が陥入し、原始溝(原始線条)を作る。陥入は深くなり、神経溝と呼ばれる。神経溝は中胚葉に落ち込み、神経管神経堤に分かれる。
        1. 神経管:中枢神経:脳、脊髄
        2. 神経堤:末梢神経:脳神経、脊髄神経
      4. 鰓弓や前頭鼻突起が形成されている。
      5. 口咽頭膜の前上方にラトケ嚢が形成される。将来下垂体前葉となる。
      6. 顔面の形成
        1. 口窩の口咽頭膜が破れて一次口腔を形成。(4週)
        2. 第1鰓弓は上顎突起下顎突起に分かれる。
          1. 舌前2/3:左右の外側舌隆起無対結節
          2. 舌盲孔:甲状腺となるため陥入
          3. 舌後1/3:コプラ鰓下隆起
        3. 鼻窩が陥入し、前頭鼻突起は内側鼻突起外側鼻突起へ分かれる。(5週)
        4. 内側鼻突起は2つの球状突起へ分かれる。(7週)
        5. 鼻窩が一次口腔へ開通することで、2つの球状突起の部位を一次口蓋と呼ぶようになる。
        6. 左右の上顎突起の口蓋突起一次口蓋鼻中隔が癒合し、2次口蓋を形成することで、一次口腔は鼻腔二次口腔に分けられる。(8週)
    2. 胎児期:9週〜臨月

    <鰓弓、胚葉に対応する組織>



    鰓弓
    鰓嚢(咽頭嚢)
    神経
    筋肉
    第1
    三叉神経
    咀嚼筋
    顎舌骨筋
    顎二腹筋前腹
    口蓋帆張筋
    ツチ骨
    キヌタ骨
    上顎骨
    下顎骨
    中耳
    耳管
    甲状腺
    唾液腺
    第2
    顔面神経
    表情筋
    顎二腹筋後腹
    茎突舌骨筋
    アブミ骨筋
    茎状突起
    舌骨小角
    舌骨体上部
    アブミ骨
    口蓋扁桃
    第3
    舌咽神経
    茎突咽頭筋
    舌骨大角
    舌骨体下部
    胸腺
    下上皮小体
    第4
    迷走神経
    口蓋帆挙筋など
    輪状甲状筋
    披裂軟骨
    甲状軟骨
    輪状軟骨
    上上皮小体
    第6
    反回神経
    輪状甲状筋以外の喉頭筋
    後頭体節
    舌下神経
    内舌筋
    外舌筋
    後頭骨の一部
    ラトケ嚢
    下垂体前葉


    外胚葉
    耳下腺
    皮膚
    下垂体前葉後葉
    松果体
    神経管
    脊髄
    神経堤
    シュワン細胞
    メラニン産生細胞
    副腎髄質
    脳神経
    脊髄神経
    中胚葉
    副腎皮質
    下垂体中葉
    精巣、卵巣
    骨、筋肉
    循環器
    泌尿器
    生殖器
    内胚葉
    顎下腺
    舌下腺
    甲状腺
    上皮小体
    胸腺
    脾臓
    消化器、呼吸器の上皮