<陶材の主成分>
- 長石:K2O・Al2O3・6SiO2
- 石英(シリカ):SiO2
- アルミナ:Al2O3
- 陶土(カオリン):Al2O3・2SiO2・2H2O
長石 K2O・Al2O3・6SiO2 こいつはベース
- 石英、陶土の結合剤、マトリックスとして働く。
- 透明性を与える。
- 融点は1300℃
- 75〜100%含有 成分中に最も多い。
石英(シリカ) SiO2
- 強度を与える。
- 熱膨張の調整に用いられる。
- 透明性を低下させる。
- 築盛時の流動性を抑える。
- 融点1700℃
- 0〜25%ほど含有
陶土(カオリン) Al2O3・2SiO2・2H2O
- 強度を与える
- 不透明性を与える
- 築盛時の流動性を抑える
- 融点は1800℃
- 1〜5%含有
アルミナ Al2O3
- 最も硬い酸化物。
- 強度を与える。
- 粘性を増加させる。
- 融点2100℃
- 10%含有
その他
- リューサイト:熱膨張係数と強度を上げる。
- フラックス:融点を下げる。ホウ砂が代表的
<陶材の種類>
- ジャケットクラウン用陶材(金属箔マトリックス法)
- コア用陶材(最内層):強化材としてアルミナが含まれる。このような陶材をアルミナスポーセレン(アルミナ陶材)という。
- デンチン、エナメル陶材:これらはアルミナを含むが、15%以下である。
- 金属焼付用陶材:熱膨張率を陶材焼付用合金に近づけるため、リューサイトを含んでいる。
- オペーク陶材:アルミナは少ししか入っていない。結合を助けるため、SnやInを含む。
- デンチン、エナメル陶材:リューサイトは入っているが、SnやInは入らない。
- 耐火マトリックス用陶材:ベニアやポーセレンインレーの製作に用いる。組成は金属焼付用陶材に近似する。
<金属箔マトリックス法>
マトリックスとは、陶材ジャケットクラウン(ポーセレンジャケットクラウン。オールセラミッククラウンとは違う!!らしい。)製作時に用いられる、セメント合着のためのスペーサーである。ただし例外もある。そもそも、マトリックス法とは、支台歯に薄い金属箔を巻き付け、その上に陶材を築盛して、焼成されたクラウン内面からマトリックスをはがすことで、セメント合着のための空隙を作る方法である。そして、このマトリックスを用いず、セメント空隙を設けない方法をノンマトリックス法という。
さらに、二重マトリックス法というものもある。
これは、マトリックスを2重に巻き、その上からスズメッキ処理をして、メタルコーピングとして用いる。焼成後、冠内面の1層の金属箔のみ除去し、セメント合着用空隙を確保する。
これには、クラウンの補強材としての役目がある。
マトリックスは白金、パラジウムからなり、厚さは0.025mm。
マトリックスの圧接方法はTinner's Jointという方法を用いる。この方法により、マトリックスの接合部分の厚みは0.1mmとなる。
<セラミックインレーの製作法>
- 焼成法
- 鋳造法(キャスタブルセラミックス)
- 削り出し法(ミリング法)
- 加圧法(押し込み法)