口外1国家試験対策講義

<BRONJ>

BRONJの診断基準

  1. BP系薬剤の治療の既往あり
  2. 8週間以上持続する骨露出
  3. 顎骨の放射線治療の既往なし

BP製剤の目的

  1. 骨粗鬆症の治療
  2. 乳がん・肺がんの抑制

BRONJの分類

  1. リスク患者:BP系治療をしてる人で症状の無い人
  2. BRONJ患者
    1. Stage1:感染を伴わない骨露出
    2. Stage2:感染を伴う骨露出
    3. Stage3:感染を伴う骨露出で、病的骨折とか重傷の人

BRONJの危険因子

注射用BP製剤を投与した場合、以下のリスクにて発症確率が7倍になる。
  1. 全身因子
    1. ステロイド(糖質コルチコイド-副腎皮質)
    2. 糖尿病
    3. 喫煙
    4. 飲酒
    5. 口腔衛生不良
    6. 化学療法(抗がん剤)中。
  2. 局所因子
    1. 抜歯
    2. インプラント埋入
    3. 根尖外科手術
    4. 骨への侵襲を伴う歯周外科

BRONJの治療方針

  1. Stage1:ポイントは感染が無いこと!抗菌薬無し!外科処置は問題外!やると侵襲の方が大きいので駄目!
    1. 含嗽とか。
    2. BP製剤を変えられないか検討
  2. Stage2:ちょい感染してる
    1. Stage1の治療
    2. 抗菌薬
    3. 消炎鎮痛薬
    4. デブリードマン
  3. Stage3:結構ひどい
    1. Stage2の治療
    2. 区域切除

<化学療法、動注★>

そもそも癌の治療ってどうなってんの?


★選択的動注化学療法

  1. 動脈に留置したカテーテルから投与
  2. ポンプで腫瘍に抗癌剤を持続的に送り込む
  3. 5-FUのみを使用(口内炎が強く出る)
  4. 投与前に留置手術が必要
  5. 範囲
    1. 顎動脈
      1. 上顎歯肉癌
      2. 上顎洞癌
    2. 顔面動脈
      1. 口唇癌
      2. 頬粘膜癌
    3. 舌動脈
      1. 舌癌、口腔底癌
    4. 顎動脈+顔面動脈
      1. 下顎歯肉癌
  6. 着色料(インドシアニングリーン)をあえて入れて、ちゃんと組織に行ってるか肉眼でも見えるようにすることがある。
  7. 副作用
    1. 粘膜炎、皮膚炎
    2. 摂食障害
    3. 悪心、嘔吐、便秘
    4. 骨髄抑制
  8. 長所
    1. 機能障害が防げる
    2. 醜形を
  9. 短所
    1. 副作用が強い
    2. 長期間かかる

全身化学療法

  1. 中心静脈カテーテル(末梢の細いルートに負担が大きいものを入れると、細い血管が痛むので、やりたくない。だからこっち。)か、末梢ルート(手とか)から入れる。
  2. 広範囲に効果を発揮
  3. 抗がん剤3剤併用(癌にもいろんな種類があるから、併用する。)
    1. 5-FU
    2. ドセタキセルTXT
    3. シスプラチンCDDP
  4. 副作用もさまざま
    1. 骨髄抑制(薬によりタイムラグがある。1週間目と3週間目の2度白血球が下がる。)
    2. 口内炎
    3. 消化器障害
    4. 浮腫による呼吸障害
    5. 吐き気
    6. 腎障害
    7. 脱毛

<リンパ節転移の画像診断>

  1. 短い径10mm以上(サイズが大きくなる)
  2. 門部の血管造影が腫瘍によって消失。
  3. セントラルネクローシス(中心壊死)によるリムエンハンスメント
  4. USにてエコー像

リムエンハンスメントを認める疾患は?

  1. 猫引っ掻き病
  2. 結核
  3. 悪性リンパ腫

<頸部廓清くそ重要キーワード!!★★★>

  1. 副神経:肩、手の挙上障害
  2. 顔面神経下顎縁枝:下口唇麻痺
  3. 頸神経:頸部知覚麻痺
  4. 舌下神経:舌、舌根の運動麻痺、嚥下障害
  5. 迷走神経:咽頭喉頭の知覚麻痺、声帯の運動麻痺(口夏さ声)(反回神経)
  6. 横隔神経:横隔膜挙上
  7. 胸鎖乳突筋:頸部の安定、肩関節、上肢運動障害
  8. 内頸静脈:顔面の浮腫
  9. 両側廓清:喉頭浮腫、舌骨喉頭運動障害

<その他>

ヨード生体染色

上皮異形成の識別が可能→病気のところが染まらない!!!
染色を行って切除した症例は局所再発率が低い(GradeB)

口唇口蓋裂の手術適応時期

  • 口唇形成:生後3〜6ヶ月、体重6kg
  • 口蓋形成術:生後1歳半〜2歳頃、体重10kg

ホッツ床をつけないと。。。

  1. メジャーセグメントが外前上へ。
  2. マイナーセグメントが外後上へ。
  3. 裂部は

顎裂部骨移植

チューリヒシステムでは、5歳で硬口蓋形成。当院では8〜10歳ごろに顎裂部骨移植。
たくさん作る時は海綿骨を持ってくる。でも吸収し易い。

骨移植を成功させるには

  1. 移植部への十分な骨の転入
  2. 被服粘膜の緊張を和らげる
  3. 下鼻甲介の切除
  4. 術後早期の矯正治療(移植骨への歯の移動)

口腔乾燥症

原因となる薬物
  1. 降圧剤
  2. 抗うつ薬
  3. 向精神薬

喫煙の害

かなりたくさんの学会が参与しているので、そろそろ出るかも。

<まめ知識>

切開線は、神経とか血管とか、重要な物と直行させない!平行に切開する。