細菌感染症 特異性炎

<特異性炎/肉芽腫性炎とは>

  • マクロファージ由来の類上皮細胞が存在する炎症のこと!
  • べつに、肉芽が存在しているからってわけじゃない!
  • 歯根肉芽腫は肉芽腫性炎ではない!

<放線菌症>

原因

  • 口腔常在菌の気性グラム性菌である放線菌アクチノマイセスイスラエリの感染による。

症状

  • 初期症状は急性な顎炎だが次第に慢性化。胸部、耳下腺咬筋部、頸部にび漫性腫脹と板状硬結を示し、開口障害を起こす。それが部分的に多発性膿瘍を形成し、瘻孔となる。膿汁には淡黄色の菌塊を見る顎骨がおかされると、骨髄炎を起こす。
    1. 耳下腺咬筋部の板状硬結
    2. 高度な開口障害
    3. 多発性膿瘍
    4. 希薄な膿汁、膿汁中の放線菌塊の証明

診断

  • 上記特徴的所見
  • 菌塊の証明
    • 染色はグラム染色やPAS染色が用いられる
    • 菌塊は、中心部は放線菌が密集しており、その周囲を性色素に染まる棍棒体が並ぶ。その外周は多核白血球が密に取り囲んでいる。

治療

  • 抗菌薬の投与
  • 膿瘍の切開排膿
  • 治療は期間である。

<結核>

疫学

  • 日本は先進国の中で発病はい。
  • 近年多剤耐性菌(MDR-TB)が多数出現しており、再興感染症に指定されている。

原因

  • 抗酸菌で気性グラム菌であるマイコバクテリウムツベルクローシスの感染。
  • 初感染は飛沫感染、空気感染により通常に起こるが、稀に、皮膚、扁桃、腸管にも起こる
  • 口腔結核は口腔周囲の皮膚、口腔粘膜、顎骨、リンパ節に現れる。
  • 口腔結核は肺結核から管内性、血行性、リンパ性に感染し、二次的に生ずる事が多い。

症状

  1. 口腔周囲皮膚結核 
    1. 尋常性狼瘡として、鼻翼、鼻唇溝、口唇に見られる 
    2. 黄褐色ないし、紅褐色の栗粒大の結節が多数出現し、やがて自潰し、次第に融合拡大する。 
  2. 口腔粘膜結核 
    1. 初期には栗粒大の灰白色、紅色の結節が生じる 
    2. 次第に自潰融合し、潰瘍を形成する。 
      1. 深さはく、 
      2. 周囲は鋸歯状で、 
      3. 穿掘性である。 
      4. 表面は淡紅色の顆粒状、または薄い白苔で覆われ、 
      5. 刺激により出血しやすく、 
      6. 痛性である。 
      7. 周囲の隆起硬結は無い。 
  3. 顎骨結核
    1. 血行感染や、根管から感染する。 
    2. 小児に多く、急性症状を認めずに骨の破壊を起こす 
    3. 周囲軟組織に寒性膿瘍を形成し、自潰して瘻孔を形成する。 
  4. リンパ節結核
    1. ワルダイエルの咽頭輪より感染 
    2. 結核性リンパ節炎は頸部に多く発症し、瘰瀝とも呼ばれる。リンパ節は痛性で弾性動性腫脹を示す。 
    3. 進行するとリンパ節内の乾酪変性部が融解自潰し、顎下部に結核性瘻孔を生じる 
    4. 慢性化すると乾酪壊死部に石灰化を生じる

診断

  1. 肺結核の有無の確認。胸部X線写真を用いる
  2. 喀痰、潰瘍面浸出液、膿汁からの結核菌の証明。
    1. Ziehl-Neelsen染色にて検出される。
    2. 細菌培養検査では、鶏卵を使った小川培地を用いる
  3. 病理組織検査
    1. 組織像は類上皮細胞
    2. Langhans型巨細胞
    3. 乾酪壊死像および
    4. 周囲のリンパ球浸潤による結核結節が認められる。
  4. ツベルクリン反応

治療方針

  1. 抗結核薬:イソニアシドリファンピシリンストレプトマイシンの3薬併用の内服が推奨されている。
  2. 口腔結核潰瘍部やリンパ節、腐骨など、感染部切除。

<梅毒>

原因

  1. 梅毒トレポネーマパリジウムの感染
  2. 先天性梅毒と後天性梅毒がある。

症状

  1. 先天性梅毒
    1. バロー裂溝;口腔周囲に扁平コンジローマを生じ、潰瘍の瘢痕治癒により放射線状亀裂様瘢痕
    2. 鞍鼻:鼻中隔、鼻骨が侵される
    3. ハッチンソンの三兆候
      1. 角膜実質炎、
      2. 内耳障害性難聴
      3. ハッチンソン歯永久前歯の切縁が嵌凹している
    4. フルニエ、ゴージュ、ムーン歯:上下第1大臼歯と第2乳臼歯の咬頭発育不全
  2. 後天性梅毒
    1. 第1期:2〜3週間経過
      1. 初期硬結:性交渉から2〜3週間後に粘膜に無痛性の初期硬結を生じる。
      2. 硬性下疳:硬結が大きくなり、潰瘍を形成する。(下疳=性感染症の潰瘍)
      3. 梅毒血清反応:性。
    2. 第2期:2〜3ヶ月経過
      1. バラ疹:血行性に広がり、全身に発疹を生じる。
      2. 扁平コンジローマ:紅斑性梅毒発疹、丘疹性梅毒疹を生じ、潰瘍を形成し、扁平コンジローマとなる
      3. 骨膜反応:顎骨では、骨の破壊、骨膜の肥厚、骨添加が起こる
      4. 梅毒血清反応:
    3. 第3期:2〜3年経過
      1. ゴム腫:全身に生じる。口腔内では小さい物ができ、中心は潰瘍となる
      2. 硬化性舌炎:舌は硬化萎縮する。
      3. 鞍鼻口蓋穿孔:ゴム腫の潰瘍から腐骨を形成し、菲薄な上顎骨や鼻骨は破壊される。
    4. 第4期:数十年後
      1. 脊髄瘻脳梅毒などの神経病変
      2. 口腔領域では原因不明の神経痛様疼痛

診断

  1. 梅毒菌の顕微鏡監察
  2. ワッセルマン反応
  3. TPHA試験

治療

ムリポ。抗菌薬投与するくらい。