<麻疹>
- 名称:麻疹、ましん、はしか
- 病原菌:麻疹ウイルス。パラミクソウイルス科モルビリウイルス属のRNAウイルス。
- 感染経路:空気感染、飛沫感染、接触感染
- 季節性:初春〜初夏
- 好発年齢:2歳以下が半数を占める
- 予防:生ワクチン
- 潜伏期間:1,2週間
- 過程
- カタル期
3〜4日続く。他人への感染力が最も強い。38℃代の熱と風邪症状。次第に解熱する。発疹期の1,2日前に、両側大臼歯部の頬側粘膜に紅暈を伴う白斑のKoplik斑が見られる。 - 発疹期
再び39,40℃代の発熱があり、発疹が出現する。咳や鼻水も強くなり、下痢を伴うことも多い。乳幼児では脱水に注意。72時間程度持続する。 - 回復期
解熱する。咳が残る傾向がある。回復期2日目ごろまでは感染力が残っているため、学校保健安全法施行規則第19条により、解熱後3日は出席停止となる。 - 診断:カタル症状とKoplik斑による
- 合併症:亜急性硬化性全脳炎、ウイルス性肺炎
- 治療:なし。安静にする。感染力が強いので、解熱後3日経過するまでは来院させない。
- 予後:感染後は終生免疫となる。合併症にかかると予後は悪いが、かからなければ問題ない。
- キーワード
- 2012年麻疹排除計画
WHO/UNICEFにおいて、日本を含む西太平洋地域での麻疹排除の目標時期を2012年に設定した。 - MMRワクチン 1988年〜1993年まで使われていた、新3種混合ワクチン。麻疹、風疹、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の3種類の生ワクチン。しかし、ムンプスワクチンによる無菌性髄膜炎が問題となり、中止となった。
- MRワクチン
ムンプスワクチンを除いた、麻疹、風疹の混合ワクチンの接種が制度化された。 - 近年の流行
2006〜2008年にかけて流行した。
<風疹>
- 3徴候
- 発疹
- リンパ節腫長
- 発熱
- 原因:風疹ウイルス(RNAウイルス)の感染による
- 症状:小児の初感染では重篤とならず、2〜3日で消退する。
- 治療:対症療法
- 予後:終生免疫を得る
- 妊婦が初感染すると胎児に奇形(先天性風疹症候群)がでる。
- 先天性風疹症候群
- エナメル質減形成
- 低体重
- 眼球異常
- 難聴
- 心奇形
- 中枢神経異常